広州市に「竹」をテーマにした珍しい公園があります。恐らく観光ガイドブックにも載ってないでしょうし、Webマップ上でも拡大倍率をかなり上げないと現れない小さな公園ですが、ちょっと味がって素敵な場所なので紹介します。

【Check Point】
東門:地下鉄広州8号線:暁港駅
西門:地下鉄広州2号線:江南西駅
実は今回が3回目の訪問なのですが、東門から入って西門から帰ります。
珠江の支流が公園を横断しているのが特徴です。

【暁港公園】
1975年に建設。公園内には120種類以上の竹が植えられており、「華南地区最大の竹の公園」と言われています。

最初に”竹”が来るのかと思いきや、普通の公園です。

門を入って直ぐに古橋が見えました。
(前述の珠江の支流をまたぐ橋)
小港橋、後に”雲桂橋”に改名。
小港(xiaogang)の発音が「暁港」と同じ読みで公園名の由来になっています。

【雲桂橋】
明代の官僚:何維柏によって建設され、400年以上の歴史を持つ橋です。
何維柏は当時不正を行う高官:厳嵩の悪政に反発し、1545年弾劾上奏を行うも報復として投獄されてしいます。

何維柏は故郷に追放された後も学問に励み、ここ広州に天山書院を設立し、また地域住民のために自費で橋を建設。彼の門下生の10名以上が進士に合格。その弟子たちが橋のたもとに「雲桂発祥」の牌坊を建て、橋は「雲桂橋」と呼ばれるようになりました。広州市に現存する最古の石橋の一つです。(baidu引用)

珠江の支流がお掘りのようです。

水質は良くないですが、悪臭は感じません。

道端に竹の登場です!
日本と同様に中国でも竹は高潔な植物とされています。「四君子(梅・蘭・竹・菊)」の不屈の精神の象徴とされています。

宋代の詩人・蘇軾(蘇東坡)の言葉に、「寧可食無肉,不可居無竹」(肉を食べなくても、竹のない生活は耐えられない)というのがあり、竹の美しさや価値を表しています。(baidu抜粋)

竹の絵が飾られた亭がありました。
多くの皆さんが、ベンチで昼寝をしています。

冒頭の「雲桂橋」を建てた何維柏の石像です。
この手の石像は、ヨーダに見えて仕方ない。

【清竹園】
竹の庭園内に多くの石像があります。
そこで紹介されてる逸話が興味深いです。
すこし抜粋します。

「義虎が樵夫を救う」という物語(義の由来)
明朝の時代、一人の樵夫が山で薪を伐っている最中、誤って谷底の虎の巣穴に落ちました。しかし、その虎は彼を襲わず、背中に乗せて谷の外へと運び出しました。樵夫はその恩に感謝し虎に礼を尽くし、虎は樵夫からの贈り物を口にして、静かに去っていったというお話です。
(説明書き引用)

「自身の肉を切り母に捧げた」という孝行物語。(孝の由来)
孝子・鄭興は幼い頃から貧しいながらも勤勉に働き病の母親を支えていました。ある日、母が肉団子の入ったスープを食べたいと言いました。お金のない鄭興は、自らの身体の肉を切り取り、スープを作って母に捧げたという、世にも稀な孝道の逸話として伝えられています。
(説明書き引用)

【海瑞】(かいずい)
彼は上奏文”治安疏”を提起したことで投獄される羽目になりました。しかし官職に復帰できた後は、順調に昇進し最終的に南京周辺の要職を務めました。彼は当時の政治の乱れを正し、厳格な法の運用を推進。「賄賂80貫で絞首刑」といった厳しい刑罰を制定。海瑞は公正無私な姿勢を貫き、民衆から深く尊敬され愛されました。(説明書き引用)

【お金を口に入れた大蛇】
「貪婪」(tanlan)と書かれています。
権力、欲望を際限なく追い求める状態を指す単語です。
「金銭に貪欲になるな」という意味なのか?逆に「貪欲になれ」という教えなのか?はて?
顔だけ見たらカエルなんだけどね。。。
あっ!ガマグチ財布~っ!

【紅桑】
花びらのように鮮やかですが葉なんですね。

公園内の湖の周りも周回コースになっているのでランニングしている人も見受かられます。

木陰は涼しいです。
(この日の最高気温は27℃でした)

竹がテーマながらも、他の植物の種類も豊富な印象です。

湖の中に浮島状の広場があります。

至るところに亭があり散歩途中に一休み。

【全少先队员】海珠区の少年組織の像
日本で言うボーイスカウトのような感じに見えますが、「共産主義青年団」の小中学生バージョンのよう国の組織です。
白い石膏状見えますが、ガラス強化樹脂で造られているそうです。

中国の偉人さんたちの銅像が並んでいます。一番手前のまきを背負っている方は、二宮金次郎さんさんではありません。
【張思徳】
四川省出身で1933年に中国共産党の警備隊に入隊し、毛沢東の護衛を努めた英雄と言われています。

竹の背丈を人の大きさと比較してみてください。

公園東側より西側に竹が集中てしいるようです。

【海食岩の跡】
少し隆起した丘に海食岩の岩肌が露出した場所があります。

詩のような文字が書かれた石碑の先で御婦人たちが民謡のような歌を練習していました。
(はい、即その場を離れました:笑)

西門の近くまで来ました。

【花洲古渡】
明代に盛んだった花市(船に乗って花を販売)によって地域は「花渡頭」と呼ばれていて、それにちなんでこの公園に「花洲古渡」という牌坊が建てられました。
そういえば、荔枝湾公園(以前に投稿)で”船上花市”の大規模なお祭りが毎年開催されると記憶しています。時期が合えば行ってみたいです♡

西門を出て江南西駅に向かいます。
何となく神田川を連想させます。
♫あなたは~もうぉ、忘れたかしら~♫
by南こうせつ

【江南西駅前】
とても賑やかな十字路です。
通り沿いには飲食店がならぶグルメ街でした。
中国文化において竹は”急速な成長”や”強靭な生命力”の象徴として重視されています。言われてみれば田舎町の竹細工に始まり、中国の伝統楽器の笛子(てきし)はとても美しい音色を発します。建築現場でも今なお”竹の足場”を組んでいる光景も見かけます。改めて竹は貴重な植物ですね、竹の子も美味しいです:笑。 失礼しました~
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