西樵山国家地质公园

park

国家5A級の観光地~おそらく佛山市では西樵山(Xiqiaoshan)だけです。


漢字そのままで「西きこりのやま」。歴史は4000年以上遡り火山の活動によりできた山で、火口は現在は湖になっています。西樵山はかつて「石錦山」という名前で、ここに薪を取りに行くきこりが”西樵”。深圳の北の方にある「罗浮山」行くのが”東樵”と言われていたそうです。樹木の緑が深くてまさに樵の名にふさわしい山です。参観地点が多いので、周遊バスを上手く利用して効率よく動かないと1日で主要箇所全てを観るのは難しいです。


「西樵山に行く」と現地の人に伝えると、多くの場合「登山に行くんだね」と言われます。南海観音など見応えある場所も多いですが、登山と森林浴を楽しむという要素も大きいようです。


Check Point


北側の入山口です。右手にチケット売り場がありますが、この時は無料でした。ただし、一般車両は入山不可のようです。

(帰りは南口から出ましたが、その際は一部の車両や観光バスの通過を見ました)

入山口を通過すると周遊ミニバスが停車しています。周遊は一日券40元。いくつかの定期路線があり、QRコードで自由に乗り降りして利用するようです。

私は歩きです。(40元をケチった訳ではないっすよ)

これからくる冬の季節は異綿花のシーズンなので、遠目に見ると桜が咲いているような景色が多くあります。

【碧玉洞】

山に入ると最初に大きな洞窟があります。手前方向に水路があるので、石灰水の溶食で出来たもの?だと思います。火山活動で海面から隆起して出来た山でる証のようで、ロマンを感じます。

碧玉洞周辺を見渡せるように造られた亭なのか?水面との調和が素敵でした。

登山道は写真のようなヘアピンカーブが何度も繰り返される場所もあります。箱根駅伝の5区、6区のようです。

岩翠の鳥居です。この先には小さな渓谷と滝があります。

【蟹眼泉】
カニの目の泉です。写真では分かりづらいですが、カニの甲羅のように隆起した岩の低い位置の左右2箇所から泉が湧いています。この時は貯水量が少なかったのですが、多い時は泉がまきあげる砂がカニの目のように動くらしいです。しばらく雨が降っていないのでちょっと残念でした。

【岩翠の滝】
清の時代の画家・黎簡と何丹山がこの翠岩に住んで、詩を詠み絵を描いたと言われています。(baidu抜粋)。翠岩は玲南画派の発祥地とされています。
(玲南画派は別の機会に紹介します)

【無葉井】
標高が更に高い位置ですが、葉が無い井戸という場所に来ました。漢字の”無”が”无”を使わないのが珍しいです。

この井戸は長年涸れる事なく湧き続け、周囲には植物が生えても葉が育たないという霊的な伝説があります。

【山の中の旅館】
心宿という上品な旅館がこの山の中にありました。(日本だと星野リゾートさんのような)
庭園やプールなどの施設も充実しているようなので、例によって宿泊費を調査しました。
Standard-Twin(50㎡)で平均2000~2700元(5,6万円)/一泊 でした。(C-trip引用)

【古い集落】
まだ実際に人が住んでいるような家もありました。きこりが住んでいたのでしょうか。

ほぼ山頂近くまで来ました。
宝峰寺の前の広場から南海の街が一望できました。
山道がちょっとキツかったので、爽快感は倍増です!

宝峰寺の入口。
西樵山のメインです。

橋を渡るとお寺、その先に観音さまが見えます。

お寺前の石壁です。微細な彫刻が見事です。

宝峰寺は明の時代の建築様式が忠実に再現されているとの事。儒教、仏教、道教が融合した文化で、仏教施設としてはとても重要な位置づけとなっています。

【大雄宝殿】
本殿に来ました。「大雄宝殿」~「大:万有」、「雄:群魔を制する」、「宝:仏、法、僧の三宝」。中央の釈迦如来は、”悟りの知恵で無数の世界を治める徳行”から「大雄」と尊称されています。
(baidu抜粋)

観音さまは山頂にあるので、本殿を通過して更に山を登ります。(このあたりでは、へとへとです)

【南海観音】
高さ61.9m。座像の観音としては世界最大です。
立像では国内に他多くの巨大観音が存在します。

残念なことに広場が工事中でした。
観音への視界をクレーンが邪魔しています。

観光客が多い時間帯なので、工事は中断しています。ワイヤーが垂れていますが、クレーンは全く稼働していません。

作業止めているなら視界を遮る位置で止めないでくれ~っ!って。。。思いますよね?(笑

【観音伝説】

もともと低海抜の周辺エリアは海だったこの地域で,ある日巨大な海石花(せのうみ)が現れ、それを見た海魔王が”千年に一度の宝”といって、取ってきたら免税や借金免除をすると樵に伝えました。しかし物乞いをするある老婆が、”あれは沸騰する海水”と警告し、樵は災難を回避できたそうです。(Baidu抜粋)

この伝説を記念して、仏教文化を広めるために建てられた仏像との事。

観音のある広場の周囲にはきれいな庭園がありました。

さて、下山は反対側の南門を目指します。

【腹ごしらえ】
途中の家族連れが楽しめる”探検楽園”(林間遊具施設)があり、付近にフードコートがありました。現地食は苦手な上に通常の休日は昼食を摂らないですが、登山で腹ペコです。独りですしファストフードならクリアもできそうです。

手抓饼(手づかみ餅?)16元:写真ではレタスとトマトが美味しそうだったので注文したのですが、経験上レタスとトマトなんて入れないだろうなぁ~と予想していたら、やっぱり。。。とりあえず半分は食べましたが完食は無理でした。(ゴメンナサイ~)

【桃花園】
更に下山の途中”桃花園”を通過しました。写真と逆側に花は咲いていない桃園が広がっていました。約140000㎡に4000本以上の木があるそうで、桃の季節に来たらとても美しいと思います。

桃花園の先も美しい公園の景色がしばらく続きます。

池の蓮が白く反射して雪のようです

山道の途中に集落があり、民家が個人で小さな食堂を営んでいるお店がいくつかありました。
「ちょっとお兄さん、一休みしてって~」なんて呼び込みしてました。

【願いの木】(中国版:鶴の恩がえし)

きこり伝説:昔、樵の青年が山で薪を取っている時、怪我をした彩鳥をみつけて、家に持ち帰り治療し自然に返してあげました。彩鳥は彼に恩返しをしようと自分の羽に願いを書いてこの木に結び続けたそうです。やがて鳥は人に姿を変えて青年に財をもたらしたそうです。

個人的にこの伝説の美しいところは、”青年への恩返し”を願い続けた事だと理解しています。
中国の成語にある「滴水之恩,涌泉相报」。”一滴の水ほどの小さな恩も湧き出る泉の恩で返す”という感謝の大切さを教えているのだと思います。


下山道途中で道脇のコンクリートと根が融合しているような樹木を見かけました。ちょっと気持ち悪い感じもしますが、ジブリの世界のようで興味深いです。


「地質公園」ということは、地質学的に意義の多い山なのだと思いますが、歩きながら見る花や植物も非常に多くの種類があって、植物ファンの方もとても楽しめる山だと感じました。植物のことも色々勉強しなくてはぁ~と思いながらの登山でした。


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