ファクタリングと換金おじさん


ここ最近“ファクタリング”という言葉をよく耳にします。知識がなかったので調べたところ、売掛け債権を決済時期前に早期に現金化するサービスらしいです。財務や経理の分野で仕事をされている方なら慣れている用語かもしれませんが、技術系サラリーマンで生きてきた当方としては縁の無い言葉でした。


しかし、翌々考えると「えっ?これって学生時代にお世話になっていた換金おじさんではないか?と思いました。他愛も無い昔の話になりますが40年ほど前の1987年。当時大学3年の私は横浜の桜木町駅近くの居酒屋で(時給480円の)アルバイトをしていました。大学にはほとんど足を運ばずに、ただ遊ぶお金欲しさにバイトに明け暮れる愚かな学生でした。

余談ですが「愚か」といえば、皮肉にもこの年のレコード大賞を受賞した曲は、近藤真彦さんの「愚か者」。“♬~罪と罰の酒を飲もうよ~ここは愚か者の酒場さ~♬”という歌詞。。。「おいおい、俺のことかよ? 」 と自覚していました(汗)

桜木町は今となっては“みなとみらい”の一部を形成する場所ですが、居酒屋は山側だったので中心街がら少し外れたチョット寂れた街。何と言っても歩いて3分ほどの場所に京浜急行の日の出町駅があり、そこにJRAの「場外馬券売り場」 (現在のWINS横浜)があった為、週末はちょっと怖いおじさんたちが、行き交う“柄の悪い場所”という印象でした。

バイト先の居酒屋オーナーも同じような怖い人でした(失礼)。仕込み作業を日曜日の昼間に一緒にしていると、「オイ!、メインレースは”3-6”だ。20,000円、ヨロシク!」と、馬券の代理購入のパシリをさせられることが多々ありました。あっ、パシリではなく業務命令ですね。私もギャンブルは好きなので苦にはならず、パシリついでに自分も馬券も少額購入していました。(当時は、成人であっても学生は購入が禁止されていたので、もちろん法律違反です(し~っ)。また、当時はスマホのアプリも無い時代なので、購入はWINSの窓口で係員による発券、的中したら払戻機で換金するという原始的なものでした)

話がファクタリングから遠のいてしまいましたが、日曜日に購入した馬券の結果は翌月曜日のスポーツ新聞で確認。ほとんどの馬券は紙切れになり、言うまでも無く大幅なマイナス収支は貧乏学生を苦しめる訳ですが、それでもたまに数万円の的中馬券を手にしたときはルンルンでした。

「よしっ、早めに換金して遊びにいっちゃおう~!」と、当時遊びの拠点だった横浜駅に出向く前にWINSで現金化してから出陣するという綱渡りパターン。でも、そこに小さな落とし穴がありまして、当時WINSの自動払い戻し機は毎週火曜日がお休みの日でした。うっかり火曜日に仲間と約束してしまった日に、停止している払戻機を眼の前にした時の絶望感~うぅ~お金がなぁーい

でも、そこに現れる救世主が、ファクタリングのおじさん。「お兄さん、10%の手数料で換金しますよ」と、声を掛けてきます。ヒゲは伸び放題で路上生活者なのか?と思わせる身なりですが、首に下げたカバンの中には札束がごっそり入っていました。

30,000円の的中馬券なら、27,000円に現金化してくれるということです。(もちろん違法です:笑)消費税も無い時代ですから、10%の手数料は重くのしかかりますが、とにかく遊ぶお金が今すぐ必要~となれば迷うことはありません。即決換金!~まさに愚か者です

この場合の的中馬券を売掛債権に置き換えれば、ファクタリングとほぼ同じサービスといえますよね。もっとも1日待てれば普通に全額換金できるので、なぜ待てない?と思われるかもしれませんが、仲間との約束をずらすことは出来ませんから。

冷静になって手数料を金利と考えた場合には「ミナミの帝王」金貸しの萬田銀次郎さんの”トイチの利子”より高いことになりますけど。あぁ~、勘弁してください~って声が出そうですが、その時は90%の現金の方が貴重です。そういう経験があったからか?このドラマは私は大好きです(笑)


最後に付け加えると、そのファクタリングおじさんは路上生活者でもなんでもなくて、横浜山手の豪邸に住んでいるとう噂がありました。ひえぇ~っ!事実は確認していませんが、金貸しは儲かるという”ユダヤ人文化”をその時点で学んだという事にして、愚かな自分を少しでも慰めたいと思います。失礼しました。


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